またしても台風が接近する中デレ5thのライブBDを流してたのしく飲酒ブログ記事起こしをキメていますが皆様いかがお過ごしでしょうか(挨拶)。
属性曲が来るたびに山火事状態でクソ盛り上がるパッション属性はホントずるい。

前回までの関西大会遠征の記事が2017年夏の出来事。この後も記事起こしせねばならない旅行がそこそこ有るのですが、今回は大分すっ飛ばしてこの前(2018年9月)行ってきたばかりの4回目の台湾渡航のお話。
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事の始まりは2018年4月、台湾・台北。
国内・海外を問わず旅行に行くたびに「これは拉致だろう!!!」と主張して周囲から大顰蹙を買っていた自分であるが、今回の旅行企画を最初に持ち出したのは間違いなく自分だった。
新社会人7日目、周囲からは「入社一週間で会社クビチャレンジ」 とまで評されたシンデレラ台湾ライブ弾丸ツアーの夜にライブの余韻からか飛び出してしまったこの発言。
「なんて軽率な…」と言った感じのあるこの発言、しかし同じくらい軽率に台湾へ渡航しようとする人が周囲に多いお陰でGWを待たずしてこの企画はめでたく本当に動き出すこととなってしまったのであった。

4月21日夜、餃子の王将 四条大宮店
ラーメンと餃子とビールを腹に叩き込みつつ、組長が旅に誘うリプライをあちこちに飛ばし始めたところから本格的に話は動き出すこととなる。 そうして集まってしまった「ろくでも無いメンツ」が以下の6名(敬称略)。
もはや最初の4人に関してはおまたせいつものと言った感じである。ここに海外旅行企画には初参加となるサークルの後輩が2名加わる形で参加メンバーが確定することとなった。
「宿どうすんだ」「早く飛行機を取れ」「それ以前に早くパスポートを取れ!」などと紆余曲折がありつつ、今回の旅程が形になり始めたのが7月上旬のこと。 map
(※上記画像はクリックで拡大)

「普通の海外旅行は渡航先現地集合はしない」とは言ったが恐らく我々のは"普通の海外旅行"ではない。見事な海外現地集合現地解散行程。今から見ても本当にひどい。関西組と関東組で別れるだけならまだしも関東組も出発する空港がバラバラなんだもん。
日程に関しては「マイクロマウス台湾大会にはどうしても参加したい」と言う一部の希望から9月中旬の3連休に決定。新社会人2名に関しては阿里山行きたさのあまり入社早々いきなり有給2日も突っ込んで5連休を錬成という暴挙に出る始末である。
何はともあれ各自航空券の手配を終え、宿の予約もおおむね終了。一番メインの阿里山森林鉄路がギリギリまできっぷの予約受付が始まらない、と言う懸案事項を残しつつも、後はこのクソみたいな旅程を消化し始める日が訪れるのを待つのみ………と言う状況を迎えつつあった。

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旅立ちまで残り1カ月半。
8月4日夜。鳥取県東伯郡三朝町。 この日、お隣倉吉市まで打吹まつりを見に来ていたおでん君と自分。
宿でのんびりと風呂に浸かったり、明日朝早いと言うのに布団の中でグダグダと他愛もない話に花を咲かせていた。中国でのやらかし諸々、次の台湾の旅程の話………

ふと話題が変わり、7月頭におでん君が出かけたラブライブ!サンシャイン!!の福岡公演の話が始まる。
公演が有ったのは7月7日と8日。あの西日本豪雨が直撃した日である。
この週末はキングオブ深夜バスことはかた号下り便が2泊3日掛けて終着する羽目になるなど交通機関が乱れに乱れたが、彼が公演前日に降り立った山口宇部空港周辺も例外では無かった。最終的にはほぼ唯一の交通手段と化した一般バス路線と徒歩で本州を脱出、どうにか動いていた鹿児島本線で現地入り。この様なギリギリの移動を強いられていたのが決して彼だけでは無かった事は、当日雨の中やる事もなく家でTwitterを眺めていた自分はよく知っていた。

「移動しててそう言う追い詰められた状況に陥ったときは本当に乗り物オタクやってて良かったなぁって思う」
「実際あの時はアドレナリン出まくってる感じ有りましたからね………」
「代替手段考えたりとかするのめっちゃ楽しいよなぁ」

酒が入っていたことも有ってかゲラゲラ笑いながら旅程崩壊話を楽しんでいた自分。
代替手段を考えたりするのが自分にとって楽しいのは間違いない。
しかし、自分が今までに経験してきたそれは「寝坊して電車に乗り遅れた」とか「ダイヤが乱れて所定接続が出来ない」とか、そう言った些細なトラブルに対してどれだけ接続時間を攻めて遅れをとり戻せるか、どれだけ乗換案内が提示するマトモなルートを逸れて所要時間を削れるか。そう言ったレベルの物でしかなかった。
まだそれは、旅程崩壊と言うには及ばない程度の低いものだった。

そしてそれから1カ月後。
また何か要らんことを言ってフラグを立ててしまったのかは定かではないが、
自分は旅程崩壊の本当の恐怖を知ることになった。

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旅立ちまで残り1週間半。
9月4日。西日本某所。

台風21号が直撃していたこの日、勤務地周辺は最接近がお昼頃で朝通勤と定時後は平穏そのもの、最接近中も地形のおかげかさほど荒れないと言う状況にあり、お陰様で通常通り出勤する羽目になっていた。
仕事をしながら「950hPaで上陸とか言ってたけど案外大したことねえなぁ………」などとぼやいていた様な記憶がある。きっとこれも言わんでもいい余計な事だったのだろう。


定時まで残り1時間ちょっと。少しだけ休憩………と思って携帯を手に取りTwitterを開く。
そして、

思考が止まった。


「マジで何してくれてんのお前?!?!?!」
まだ勤務時間中とは言えさすがに叫びそうだった。





連絡橋破損の第一報に触れたときは「いや、反対車線は使えそうだし神戸空港からのフェリーも有るしまだ何とか………」と思っていたが状況は想像以上に悪かった。
ターミナルビルは停電、地下の設備やら地上の移動車やら何やらの機材は全部水没。雨水ならまだしも流れ込んできたのは海水。これ三連休までに復旧とかどう考えても無理では…?

半分パニックみたいな状態で早速代替手段の確保検討に向けた協議を始めるが、さすがにこんな出発直前では飛行機は高い。
行きに利用する予定だったのはジェットスター・アジア。翌日には「13日までの分は運航状況に関わらず払い戻し実施」とのアナウンスがされたが、自分たちが飛ぶのは15日である。「代替便を確保しなければならないが、本来の便が払い戻されるか分からんのでキャンセル料が安いのを探す必要がある」とか言う難題を突き付けられることとなった。「空港が死んだくらいじゃ行くの諦めねえからな!!!」と吠えてはいたが金銭問題は実際どうしようもない。さあどうする金欠新社会人。

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KIX組の居住地から考えると代替空港となり得るのはこの地図中の範囲であろうと思われた。
一番都合がいいのは岡山空港であった。しかしここに就航しているのはタイガーエア台湾。払い戻しが一切効かないため、ジェットスターが飛んでしまった場合のことを考えるとこれは避けたい。
次点になると思われるのは高松空港。ここに就航しているのはチャイナエアラインフルサービスキャリアである。しかし幸か不幸かこちらは既に空席無し。
そして広島空港。こちらも就航しているのはチャイナエアライン。空きはあるがお高い上にキャンセル料で20kを取られるらしい。ついでに空港の立地自体も難あり。

こうなるとどうも選択肢に残るのは福岡空港しか無さそうである。しかしいくら何でも福岡は遠い。飛行機が高いうえにそこまでの足代が嵩むのではどうしようもない。
下手したら成田送りか………?みたいな空気が流れだす中、爆弾を投げ込んできた人物がいた。

写真 2018-09-29 21 29 37

………つまりこう言う事である。

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こんなクソみたいな理由で韓国初上陸の実績を解除したくねえ!!!
下関/福岡から釜山までのフェリー/飛行機代を考えれば、福岡空港から直行便で飛ぶのと大して変わらず台北到着時間はかなり遅くなる(と言うか深夜)のでは…?と言うプランである。
しかし代替プランを必死に考えていて段々頭が痛くなってきていた自分は「マジで関空が使えないなら韓国立ち寄って話のネタ増やした方が得なのでは???」みたいな思考回路になってきていた。
ついでに言うとキャンセル料も国内に比べればまだ安い方。バックアップ手段としては最適のように思われた。

こうして第三国上陸を決意した結果段々と悪乗りが始まり、「一旦大邱に降りて釜山まで地上移動で乗継」と言うプランまで浮上する始末。「お前ら一体どこに行きたいの???」みたいな状況に陥りつつあったが、最終的には15日の運航分も払い戻すことがジェットスターから発表され、これ幸いと韓国経由案は撤回する常識的判断を下し、「福岡空港から直行便で台北に向かう」と言うプランが正式採用された。…そういう事にしておいて欲しい。
ちょっとチキったせいで旅立ち前からやらかしポイント獲得だよくそったれめ。

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修正を加えた最終的な旅程はこの図の通りである。
自分たちが慌てふためいている間になんと関空は一部運用再開。被害の少なかった第二ターミナルを利用するピーチは国際線も普通に飛ばし始めていた。これならば帰りは大丈夫だろう、と言うことで復路はそのままの旅程で実行に移すこととした。

実はこの裏で「阿里山森林鉄路のきっぷが発売開始2分足らずで売り切れて買えない」と言うとんでもないトラブルが発生していたが、こちらは何だかんだで順調にキャンセルが出たらしく数日後には6人全員分の調達に成功。さあ今度こそ(1日早くなってしまったが)出発の日を待つだけ………


と思っていたのだが


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自分たちが一体何をしたというのか。


進路予報的にはこれはギリギリセーフなのでは…?とも思ったが渡航予定日周辺の予報ではなんと中心気圧が905hPa死ぬ気か?
仮に渡航できたとしても今回の主目的である阿里山は標高2,000m超の山の中。大雨が降って土砂災害でも起ころうものなら洒落にならない。そうじゃなくとも高雄国際空港の設備に被害が出て帰りの便が欠航なんてオチも待ち構えている。

これに加えて、自分は旅程の2日目に「マイクロマウス台湾大会には行かず南廻線に乗りに行く」と言うプランを計画していた。南廻線には「もう台湾でもここで一日一往復しか走っていない客車列車」が走っており、それも2年後の電化工事完成によって廃止される見込み。この機会に乗っておこうと思ったのだが、この路線が走るのは台湾の最南端部の海岸線沿いである。ズバリ名が体を表している。こんなモン台風の被害を食らわない訳がないのでは。

幸い台風の速度が若干早まったため、どうにか渡航には影響しないだろう………と旅行は決行されることとなったものの、南廻線突撃に関してはかなり不安視せざるを得ない状況。きっぷは全て確保済みであったが、発車30分前まではネットからキャンセル可能と言うことで決断は先送りすることとなった。


こうして史上類を見ない長さの前置きを挟み、
ようやく、ようやく旅立ちの日がやって来た。


【2018.9.14 22:11 @ 日本・福岡県福岡市博多区】
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行くぜ4回目の台湾。

【旅程終了までのこり120+2時間】
<1日目へつづく>

◆ この記事の続き
絶対にやらかしてはいけない台湾ツアー120時間に行ってきた話(その2) (2018-10-8)