こんにちは。7thツアー名古屋公演お疲れ様でした。
今回は時計の針を盛大に戻して2018年春のアイマスシンデレラ台湾公演に行って来た話。
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2017年11月19日。それは突然やって来た。 シンデレラガールズ台湾公演の開催告知。
既にこの年の春にはミリオンライブにて同様の公演が行われていたが、これに続きシンデレラも初の台湾進出と言う事になる。

開催地はもはやお馴染み感すら出て来つつある台北市。この発表地点で台湾渡航経験は2回、高価な公式ツアーへ申し込みをするまでもなく、まあ個人手配でもどうにでもなるだろうと思われた。
しかし今回問題となるのはそこでは無かった。公演当日における自分の身分である。

この発表がされた当時の自分は大学院にて修士課程の2年生。そして公演本番は翌年4月7日/8日。すなわち公演当日の自分はもはや学生の身分を失い社会人と成り果てているのだ。
普段なら「難しい事は後から考えよう」理論で軽率に手配を進める自分も流石にこれには躊躇いを感じた。当日は南関東某所に居る予定となっている旨は既に会社側から通知を受けており、弾丸台湾渡航はそこまで難しくはないと思われたが本当にそこで海外なんぞまで飛んで行っていいのか?

しかし悩んだところで結局は発表から24時間も経った頃にはこの有様である。 チケットの一般発売開始は翌年2月24日。ひとまずはその結果次第でどうするか考えよう。
そんな訳でしばし時間をおいて頭を冷やす事となった。

12月、そして年が変わって2018年1月。年度末を迎え、いよいよ指導担当教授からの攻撃が激しくなる。
自分は正直言って研究成果が大変宜しくない状況だった。寒い中、来る日も来る日も家と研究室を往復し「上手く行かねー!!!!!」と布団に飛び込む日々が続く。
同様にやっぱり大変な苦しみを経験する羽目になった卒業研究終盤戦の記憶が脳裏をよぎる。また2月末まであんな生活を続けねばならんのか。
そんな中で見事にインフルエンザまで貰ってしまい一週間寝込む羽目になる。いよいよストレスの蓄積具合が限界だった。

そして2018年1月30日夜。
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台北行きの航空券と現地の宿が生えた。
繰り返すがチケットの一般発売は2月24日である。正気の沙汰ではない。
ストレスの解消に買い物をし始めるのは比較的良くある話だが、本題にちゃんと参加する権利が手に入るかも分からないのに航空券(キャンセル不可)を抑え始めるのは今になって振り返ってみれば我ながら理解不能である。これがストレスに頭をやられた人間の末期症状と言う事なのか。

しかしそんな事を心配している場合では無い。ひたすら実験して要旨書いて発表練習して、合間に御神渡りを見に諏訪湖へ突撃したりトンボ帰りでSideM幕張LVを見に行ったり、晴海線開通前公開へ行ったりと怒涛の日程をこなして修論審査会を終えたのが2月23日。いよいよ運命の日がやって来る。一難去ってまた一難と言った感じの日取りである。

2018年2月24日、台北時間PM0時。 慣れないシステムの操作にうろたえつつもチケット確保成功!接続がもたつく、席を選択しても決済へ移行しようとすると「その席は選択出来ません」とエラーを吐かれる(反映が遅れている?)などかなり心臓に悪い戦いとなった。
いよいよこれで新社会人になって早々の台北弾丸ツアー挙行が決定的になる。一部煽りが激しい方々からは「また楽しそうな玩具が降ってきやがった」と言わんばかりの反応。 実際の所予算の都合でFSCと言う選択肢は取れず、例のごとくLCCを予約しているためマジで初っ端から欠勤と言う笑えない事態に陥る可能性はある程度考えられるものと思われた。
念の為欠航率などを確認の上で「遅れは多いが欠航率はLCCの中でも比較的低い(当時)」ことからPeach Aviationを選択するくらいの事はしていたが、果たしてこのガバガバ極まる処置を対策と言っていいものなのかどうなのか。

しかし実際の所問題視すべきは欠勤リスクよりも取った便の運航時刻にある様に思われた。
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往路羽田空港発0555。復路羽田空港着2445。
これが一部限界旅行界隈にはお馴染みと思われるMM859/MM860便。往路復路共に公共交通機関での羽田空港アクセスが不可能と言う便を自分は事情を知りつつも予約していた。
そしてMM859便を利用するのは土曜日。MM860便を利用するのは日曜日。すなわち金曜深夜に羽田空港入りして野宿、最早日付が変わった月曜未明に羽田空港へ戻って夜が明けたら出勤と言うウルトラ限界旅程である。「函館と旭川と知床を一泊二日で見て回る」とか言い出す北海道旅行初心者かお前は。
欠航からの欠勤コンボは運が悪ければ起こり得る現象である一方、寝不足疲労回復不足のままでの出勤は確実に自分を待ち受けている運命である。次第に本当に身体持つのかこれ……と言う不安を感じつつあったが、ひとまずはそれを頭の片隅に押しやって学生最後の1カ月余りを楽しむことに徹することとした。

そして4月2日。ついに社会人生活が始まる。
当初は「そもそもこれ朝起きられるのか?」と言うレベルからして不安を全開にしていたものの、2日目が終わる頃には「まあこれくらいなら当面は死なずに済むか……」と若干の慣れ。そして夜になるといよいよ週末に迫って来た渡航への不安が押しやっていた頭の片隅からうごめき始める。 新社会人になって早々とは言えあくまでも週末は週末、そこで台北に行くことは良しとしよう。百歩譲ってそれは良しとするにしても何故使うのが早朝便深夜便なのか。本格的に過去の自分と今現在の自分が殴り合いを始める。 不安を感じはすれど社会人の夜は短い。さっさと切り上げて布団に飛び込み、慣れない早起きをこなす日々を繰り返せばあっという間に金曜の夜が訪れる。いよいよ地獄の旅の始まりである。


◆ 2018/4/6 18:00 南関東某所
定時で退勤。そのまま同期で飲み会へ向かう。週末だしね。程々に酒飲んで途中で切り上げて退出するが、こういう時に大抵余計な事をする悪癖をやはりやらかす。 直前までゲラゲラ笑いながら話をしてたのに真顔で「お前よく今日この集まり来たなー……」と言われる始末。この一件が原因となり、配属先の同期からは完全に「暇さえあれば何処かへ吹っ飛んでいるアタマ野郎」として認識されることとなる。
軽くシャワーだけ浴びてペンライトやらパスポートやらを放り込んだトートバッグを引っ掴む。いざ向かうは深夜の羽田空港。

◆ 2018/4/6 22:44(GMT+9) 羽田空港国際線ターミナル駅
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到着。羽田空港から国際線で飛び立つのはこれが初めての経験である(2019年11月現在でもこれが唯一)。既に出発便も少ない時間帯であるがターミナルのベンチには多くの人が溢れていた。恐らくは皆自分と同様、明朝便に備えて野宿をするつもりなのであろう。
ひとまずは電源が確保出来る席の確保に成功する。しかしあくまでもそこは普通の椅子、横にはなれず照明も落ちない。突っ伏して必死に意識を失おうとするが、そこは横になれてすら慣れない寝床では地獄を見まくる自分の事。長い長い時間を食べ続ける地獄を味わう事になった。

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午前3時25分。チェックイン業務が始まる。後輩からは「4時まで出国審査場が開かないので当分寝てた方が良い」との情報を事前に得ていたが、もはやあの席にこれ以上いるのは限界だった。

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出発案内には台北行きが3つ並ぶ。このうちIT9217便はまさかの約23時間遅れをぶちかました前日の
IT217便である。折り返し機材の遅れにより早朝発着枠での出発が出来なくなったらしく、案の定台湾公演に向かうはずだった人が少なからず被害を被ったようで。ただでさえ失敗できない旅行なのに初っ端から肝を冷やす羽目になる。

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4時15分、出国。制限区域内でラーメンを食べるなどして時間を潰すが、ここに来てようやく眠気が降りてくる。しかしこのまま寝潰れて出国済みエリアに取り残されたりしたら本格的に救いようがない。

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5時22分。重い身体を引きずり地の果てにあるスポットへ向かう。

5時38分。乗機。

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普段飛行機では窓側に陣取りじっと外を眺めている事が多い。しかし今回は通路側な上に(実質的な)徹夜明け。飛行機搭乗中の記憶はほとんど無く、気絶したように台湾へ運ばれていった。

◆ 2018/4/7 8:57(GMT+8) 台湾桃園国際空港
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いよいよ初めての海外一人旅が始まる。

<つづく>